〔7基の画法から3破の応法へ〕
2破 デフォルメ
2破 デフォルメ
デフォルメとは何か
「デフォルメ」は印象の誇張表現
「デフォルメ」は新たな価値観の提供
「デフォルメ」への驚き
私が美術表現で「デフォルメ」に心動かされたのは、国展の開光市先生の絵を見たときです。
ちょうどその頃の私は、自分の個性とは何か、と考えていた時期でもありました。
自分の感性をどこまで信じていいのか、そんなことも考えていました。
開光市先生の絵は、まさにその答えをくれたような絵でした。
こんな歪んだリアルに汚れた人間でいいんだ、それが人の心をつかむんだ、と。
人物は歪み、折れ曲がっている、しかしそれは決して狂気ではなく、人間の真実を描いているように感じたものでした。
それと同時に、湧き上がってきた疑問は、「どうやったら、こんな人物像を発想できるんだ?」ということです。
後に、画面のシミのような形態から人物を描き起こしていることが分かりましたが、当時は「こんな人物を描けるなんてすごい!」と憧れしかなく、私を自然に国展への出品へ導いてくれた作家の一人でした。
一方、書店や図書館では、玉川信一先生の絵が載っている本が多く出回っていて、開先生のようなアクロバティックな人物像ではありませんでしたが、自分の心情にリンクするような心象風景に登場するデフォルメ人物像にもまた、感動していました。
とてもマネできないような重厚なマチエール(質感)で描かれたその人物像は、異世界へと私を導いてくれました。
また、大学の同期には日野之彦くんもいて、ビックリするような大胆な人物画を、瞬く間に完成させては大量の作品を描いていました。
大学での玉川先生と日野くんとの出会いは、大きな影響があったと感じています。
デフォルメへの陰影のつけ方
デフォルメした人物像の形はできたけど、陰影はどうつけたらいいのか?
そんな疑問を持つ人もいるでしょう。
答えは、「似たような写真を見ながら陰をつければ良い」ということです。
形は描けても、確かに陰影は難しいでしょう。
その時は、写真資料を見ることです。
普通の人の脳は、陰影までも記憶するようにはできていません。
ゆがませた形に沿って、写真を見ながら陰影をつけていくのです。
意外と違和感なく、塗れてませんか?
最初は明暗は写真にそろえると良いです。
完全想像での陰影をつけ方
何も見ずに陰影がつけられるようになるには、一体どうしたら良いのでしょうか。
まず、写真か絵を参考におおまかな陰影は考えておきます。
光の方向に矢印を描いておくと、光、その反対は陰、と設定しやすいです。
そして、写真や資料は見ずに陰影をつけていきます。
最初はいろいろ考えず、光と陰の2色を決め、大まかな2分割で明暗をつけていくと良いでしょう。
違和感がないと感じるまで、描いては消しをくり返し、明暗をつけていきます。
もし違和感を感じた部分が出てきたた場合には、そこは現実と乖離している部分なので、そこは似たような写真資料を見て、目を細め見比べ明暗を写真に合わせていきます。
このようなトレーニングを積んでいくと、そのうち明暗のパターンが体に染みつき、何も見なくても自然と明暗を表現できるようになっていきます。
やがて、玉川先生や日野くんのように、何も見なくても陰影をつけられるようになりますが、最初の練習の頃は写真資料も使いながら陰影を描き、違和感のない人物の明暗のパターンを覚えてしまうまで描き続けることです。
凡人が天才に近づくためには、まずは彼らの思考自体を紐解き、それをできるようになるまでトレーニングし、自分の中に刷り込んでいくことです。
2破 デフォルメ の実例
具体例1
ここでは、実例を紹介します。
具体例2
ここでは、実例を紹介します。
具体例3
ここでは、実例を紹介します。