〔7基の画法〕6基 構図

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6基 構図

構図は感覚か科学か

 
構図と聞くと、名画は「黄金比」で構成されている、というようなことを思い浮かべる人もいると思います。
画面に線を引いて、円、直線、三角形などで示したものを思い浮かべる人もいるでしょう。
名画の構図の分析を行ったものです。
 
実は作家たちと会話する中で、もちろん全くいないわけではありませんが、「ここは黄金比『1:1.618』となるように構成した」というようなことはあまり聞きません。
作家たちはむしろ感覚的に画面を構成しています。
それが結果的に「黄金比」「白銀比」になっているというのが、実際のところでしょう。
 
「なんだ、やっぱ感覚なのか」とがっかりしないでください。
人のクセをはずしていった結果が「黄金比」になる、とお考えになると良いと思います。
意図的に「黄金比」にもっていくというより、「はずしていく」。一体どういうことなのでしょうか。
 
画面上で物を配置していくと、つい同じ間隔で配置していってしまいます。
また、同じ大きさのものを繰り返し使ってしまいがちです。
こうしたクセをはずしていく、とは、等間隔ではなく間隔を狭くしたり広くしたり、法則性をはずしランダムになるようにする、ということです。
大きさで言えば、大きなものを使ったり、小さなものを使ったりするということです。
 
なぜ、等間隔や同じ大きさがいけないのか、あなたはきっとそう思うでしょう。
 
例えば、音楽を考えてみてください。ずっと同じリズムで変化のない音楽は、つまらないし、飽きてしまうでしょう。そこに変化があるからこそ、人は楽しく最後まで聴きたいと思うのです。
リズムのような調和の中に変化を入れていく、そう、これが極意なのです。

大きくとらえて小さく攻める

 
私はもう30年近く剣道をやっていますが、大きくとらえて小さく攻める、ということを心がけています。
どういうことかというと、大きな視野で相手の動きをとらえながら、攻め自体は小さく崩していき、また一気に大きく打ち込んでいくというものです。
 
ものごとを行っていくときは、いつもこのことを心がけています。それが、うまくいくコツのような気がしています。
 
絵画に話を戻しますが、まずは大きな画面の分割や大きなものの置き方を考えます。しかし、それだけでは何の変哲もない漠然とした画面にすぎません。
そこに、小さな物を配置していき、味つけをしていきます。つまり、大きくとらえて小さく攻めるのです。
こうすると、遠くから見ても、近くから見ても良い画面ができ上がっていきます。

ベストな位置を探す

 
構図を考えるとき、入れる予定ものを、いろいろと動かしてみると良いと思います。
写真だったら切り抜いて、下絵の画面の中を動かしていってみましょう。
色の面だったら、色画用紙を切って動かしてみます。
パソコンを使える人は、画面上で動かしてみると、大きさも変えられて便利です。

「等間隔」にならないように、「法則性」をはずし、ランダムになるようを心がけ、一番しっくりくるところは、一体どこでしょう。
いろいろ動かしてみたけど、「やっぱりここだ」というところが、ベストな位置です。

「結局、感覚じゃないか」と思うかもしれません。
音楽の作曲で、「いい曲を作るための音符の並べ方を教えてくれ」と言われても困るように、美術でも自身の感覚を信じるしかないところがあります。

「こうはならないように」ということだけは留意しつつ、「良い・悪い」は自分の感覚を信じてみてください。
「自分が良いという判断を、自分自身がしていく。」
これは制作を進める上で、何よりも大切なことです。

6基 構図 の実例

具体例1

ここでは、実例を紹介します。

 

具体例2

ここでは、実例を紹介します。

 

具体例3

ここでは、実例を紹介します。

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