7基のブログ
漫画家 おしばなお
漫画家になる夢を実現した生徒
2023.12.29

おしばなおさんは、私の教えた生徒の中で、現在漫画家として活躍している人です。
2023年には単行本4巻が発売され、累計販売部数30万部を突破するヒット作となっています。
軽やかで気持ちの良い線で描かれるキャラクターはもちろんのこと、
表情の描き分けが優れているのもおしばなおさんの特質です。
高校時代は演劇部に所属し、全国総文祭への出場経験を持つ彼女は、漫画表現での演出をずっと考えていて、そのことをテーマにしながら漫画作品を作ったことを覚えています。
コマ使いは、ちょうど演劇のような、実写の映画やドラマを見ているような時間の動きを感じます。
静止したかと思うと、突然早い展開で動き出したり、たちまち読者を引き込む演出の力があります。
キャラクターのコスチュームや背景設定にも、多くの資料をもとに構築された世界観があり、魅力的な異空間に酔いしれることができます。
もう一つ、おしばなおさんのすごいところは、アングルの多様さです。
俯瞰したした視点から世界を眺めたり、下からのあおりのアングルで迫力あるキャラクターを描いたり、表情のアップで感情に迫ったりと、とにかくスリリングで飽きることがありません。
このサイトの1基 輪郭線のイラストレーションで使用した見本作作品は、おしばなおさんが高校時代に描いたものを、ご提供いただいたものです。
彼女がそのイラストを描いた時も非常に吸収が早く、教えられたことから自分なりの方法をすぐに確立する、そんな生徒でした。
また、イラストレーションばかりでなく、絵具を写実的な風景を描くことも得意としていました。
イラストと写実、両方ができる生徒というのは、なかなかいないのですが、両方優れている生徒でした。
印象的だったのは、説明を聞いている時の食い入るような彼女の眼。
卒業してしばらくしてから話をする機会があったのですが、当時の私の言い回しを含めて、教えたことを実に細かいことまで覚えていて、びっくりしました。
高校時代の作品は、しばらく見本作品として使わせてもらっていたものもありましたが、卒業後にほとんど彼女が持ち帰って行きました。
3年生の時に授業で制作した、手描きのアニメーション作品の動画データは残っていました。
〆切の日に、暑さ3cmにも及ぶコマを描いた用紙を持参してきて、あまりの量にすごく驚いたものです。
今や多くのファンを持つ漫画家となったおしばなおさん。
藍は藍より出でて藍より青し。
教えたということもはばかれるくらい、すでに彼女はすごい実力を身につけている作家です。
私の教室から旅立っていった彼女の夢は、まだ遠くまでこれからも続いていくのだと思います。