〔7基の画法〕1基 輪郭線

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1基 輪郭線〈ハッチング〉

ハッチング描画法

 

 
輪郭線で描けるようになったら、輪郭線にハッチングの線を加えて、立体的に描く方法があります。
絵は、井上雄彦先生の「スラムダンク」の1コマです。できれば、模写して体得してほしい絵柄です。
 
輪郭は一本の線にしぼられ、そこに立体感を出すためのハッチングのラインが加わっていきます。
 
ハッチングのラインは、「塗る」という感じではなく、「等間隔」に集積していることが分かります。
さらに陰の部分はハッチングの線が重なります。「クロス・ハッチング」でさらに暗い部分を表現しています。
 
ハッチングは、一本一本描くという感じでははく、鉛筆の上を持ち、右上から左下に半円を描くようにストロークさせます。
シャッシャッとリズミカルに入れていきます。先が尖るように抜いていくのもポイントです。
ハッチングの同士の幅なのですが、くっついてしまわない最も狭い「最狭ライン」を心がけます。
 
輪郭とハッチングラインはピタッとくっついているようにして、空いたり、突っきったりしないようにします。
 
どうですか?輪郭線を使ったイラストが、少し立体的になったと思いませんか?
輪郭を決める ハッチングで立体感を出す、この手法でだいぶすっきりとした立体感のある絵が描けるようになります。

ハッチング描画法を使った版画作品例

 
以下は、ハッチング描画法を使った高校生の版画(エッチング)作品です。
一本の輪郭線と、ハッチングによる陰影表現によって、成り立っていることが分かると思います。
 

 

 

 
以下は、エッチング版画 制作行程[全13時間]です。

(1) コラージュによる下絵作り[2時間]
2種類以上の白黒コピー資料を組み合わせ、ハガキサイズの下絵を作る。
幻想的な空間になるように意識する。

(2) ハッチングによる下書き[3時間]
コラージュ下絵にトレーシングペーパーを重ねる。
シャープペンを使い、輪郭線を決めながら、影の部分にハッチングの線を重ねていく。
暗い部分ほどハッチングの線を重ねていく。いつも等間隔な線になるように。

(3) エッチングプレートに転写[2時間]
下描きを裏返し、カーボン紙をはさむ。
シャープペンで輪郭をなぞり、エッチングプレートに転写する。
上にもう一枚トレーシングペーパーを重ねておくと、下描きが潰れずに済む。

(4)ニードルによる線彫り[3時間]
転写された下絵をニードルで彫っていく。
輪郭→影の順に。
右下から左上に向かって進めていくと、下描きがこすれて消えることがない。

(5)腐食液による製版[1時間]
5分ほど腐食液につける。時間になったら水洗い。

(6)プレス機で印刷[2時間]
タンポでインクをつめる。
ウエスでインクを拭き取る。ウエスは大きなボールを作って拭く。
紙を上に置いてプレス機で刷る。
額に入れて完成。

強弱線イラストの描き方

動画で強弱線イラストの描き方を実演しています。

 

ハッチング描画法

井上雄彦先生の画法を例に、ハッチングの方法を解説しています。

 

具体例3

ここでは、実例を紹介します。

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